モンゴル語学習①独学期の勉強法と参考書
モンゴルに初めて旅行してから2年半になろうとしています。
ここまでは私のモンゴル熱は冷めることなく、恋というかむしろ愛に変わっているような感覚。空からモンゴルの地を見守っていたい気持ちです。
語学もぼちぼち続けてきました。最近は忙しくてあまりできていませんが、ここまでやってきた勉強を使った本やサイトとともに振り返り、これからの学習の目処をつけたいと思います。
これまでどれだけの本を買ってきたのか、自分でも把握していないので結構楽しみ。
①2018年9月〜2019年9月
これは私が独学でモンゴル語を勉強した期間です。
始めた頃は卒論の勉強や執筆で忙しく、モンゴル語にうつつを抜かしている場合ではなかったのですが、図書館にモンゴル語の本がちゃんと置いてあるせいでやらざるを得ませんでした。附属図書館は反省してほしい(感謝!!!!!💕)
私は全く知らない語学を勉強するとき、決まってある入り方で学習を始めます。
もちろんちゃんと本も読みますが、とっかかりとして大きな効果を発揮すると私が感じている入り方があります。
それは「歌を聴くこと」。
大袈裟に書きましたが、これはみんな無意識のうちに実践しているありふれたやり方だと思います。
気に入った外国の歌の歌詞を見て、これはどういう意味だろうと辞書を引く。それでも分からなければ、そのフレーズをネットで検索する。すると似たような用例が見つかったり解説を読めたりして、だんだんその歌詞を理解できるようになる。歌詞を読解できるようになる頃には口がその発音を覚え、滑らかに歌えるようになる。
このように耳・目・口の3つでその言語を経験することは、その後の学習においてもいい影響をもたらすだろうし、何より「その言語を楽しむ」という最も大事な心を育んでくれるでしょう。
言わずもがな、私はモンゴル語のみならず今学習している全ての言語に「歌」から入りました。
流れはこうです。
①好きな歌の歌詞を書き取る
歌詞サイトを見ながら写経するのでおk。
↓
②それを見ながら口ずさみ、まず音を覚えてしまう
こうすると、知らない文字でも発音の推測ができるようになる。
↓
③音に慣れてきたら、歌詞を一語ずつGoogle翻訳にぶっ込み、意味を確認していく
ここは本来なら辞書を使うべきですが、自分はとりあえずこうしていました。
↓
④辞書的な発音で歌うのではなく、聞こえるままの発音で歌えるまで練習する
自分の耳をある程度信用して、聞こえたままを真似して歌う。たまに録音して聞いてみて、音源と違うところを練習する。
↓
⑤調べて分からなかったところをまとめ、文法書や東京外国語大学の言語モジュール等を用いて調べ直す。
私の初めてのモンゴル語体験は、Кивиというグループのхоёр дахь хүн чинь баймааргүй байнаという曲でした。
2016年の曲らしいですが、どうやって見つけたかは覚えていません。おそらく適当に「mongolian pop」とか検索していたのでしょう。
この曲の歌詞を書き取り、単語の意味を調べているうちに、なんとなく「浮気の歌…?!」と分かった時から、ますますモンゴル語が楽しくなりました。
聞き慣れない発音に戸惑ったことも今では懐かしい思い出ですね。
ただし、今考えてみると、このやり方にはざっくり以下のような問題があります。
・Google翻訳に単語を入力しても(その文脈で)正しい意味が出てくるとは限らないため、誤った理解をすることがある
・単語だけではなく文法的な理解が必要になるところが必ず出てくるため、一語ずつ翻訳機に突っ込んでいても正しく理解できない
・歌い方に癖のある歌手もいるので、必ずしも正しい発音とは限らない
こういう問題に対して、私個人は
・辞書や文法書を買って勉強することで、正しい理解を求める
・できるだけたくさんの歌を聴いて、色々な発音を知る
ことで対処しようとしました。
やはりネット辞書だけでの読解は不自由なことが多く、また歌をもっと正確に理解したいという思いが大きくなってきていましたね。
とりあえず購入したのは以下の書籍です。
①橋本勝『ニューエクスプレス モンゴル語』(白水社、2010)
※現在はリニューアルして『ニューエクスプレスプラス モンゴル語』となっていますので、そちらのリンクを貼っておきます。
この本は主に20のスキットと練習問題から成り、文字・挨拶から初歩的な文法までをざっくり学べる本です。
初のモンゴル旅行から帰国した後、まっすぐに買いに行ったのがこの本でした。
CDに合わせてスキットを音読したり、練習問題を解いてみたりと、この1冊をしっかりやり込むだけでも基礎力はかなりつくと思います。プラスになって、音声をアプリで聴けるようになったとか。
②山越康裕『詳しくわかるモンゴル語文法』(白水社、2012)
この本では、モンゴル語の文法を一通りさらうことができます。CDも付いているので、真似して文章を音読する練習もできます。文法事項に合わせて例文がたくさん載っているのがいいですよね。
私はニューエクスプレスに加えてこの本文法と単語を勉強することで、ぎこちないながらもホームステイ先の家族と意思疎通ができるようになりました。
いうまでもないことですが、文法は大事です。単語を並べるだけでもある程度は会話できますが、自分の意思をきちんと理解してもらうためには、やはり文法に則って文章を作る必要があります。
③Д.Болдбаатар "Япон-Монгол, Монгол-Япон толь бичиг"(2014)
これはモンゴル人の人が作ったモ和/和モ辞典ですね。
モンゴルでのアルファベット順(キリル文字順)に載っているので、慣れるまでは少し使いづらいかもしれませんが、「こんなのも載せてるの?」みたいな面白い日本語まで載っているので(例えば「右顧左眄」とか)、一読の価値ありです。
実は自分で買ったのではなく、HelloTalkというアプリで親しくなったモンゴル人の子がプレゼントしてくれました。モンゴルには普通に売っています。
チンギスハーン空港には以下の辞書も売っていました。これも購入済み。
④УБ Адмон ХХК "Япон хураангуй толь бичиг"(2016)
こちらは日本語の辞書のように、文字ごとの場所が示してある(「あ」とか「A」とかの表記がある)ため、モンゴル語に慣れていなくても比較的使いやすいと思われます。
載っている単語自体は、③の方が多い(はず)です。
独学期は上の4冊に加え、東京外国語大学言語モジュールを使って勉強していました。
このモジュール、無料公開されてるのおかしいでしょ、、てくらい内容が充実してます。
各言語に「発音モジュール」「会話モジュール」「文法モジュール」「語彙モジュール」があり、発音の基礎から実践的な会話まで、一人でも勉強できるようになっています。
英語やフランス語、中国語などのメジャーな言語はもちろん、ビルマ語やベンガル語などのマイナー言語まで、計27言語(日本語を含む)の教材が公開されています。
これを一通り勉強したおすと、ニュース記事をはじめ、facebookやTwitterの投稿も少しずつ読めるようになってきます。
会話モジュールを丁寧にやれば、発音やリスニング力が鍛えられるだけでなく、日常的に使われる口語表現を覚えることもできます。
独学期は、これまであげてきた教材をずっとやっていました。
そのおかげで大分読めるようにはなってきたものの、モンゴル人と話す時にものをいうのはやはりスピーキング力、リスニング力です。
そこで私はついにモンゴル語教室に通い始めるのですが、そこからの勉強についてはまた次回。
ついでに、この時期に他に購入した本を紹介します。
①田中セツ子『現代モンゴル語口語辞典』(大学書林、2005)
この本は、モンゴル人が日常会話でよく使う口語表現を集めたものです。各表現について日本語とモンゴル語で解説があり、例文も載っています。
ぱらぱらめくってみましたが、まだ私には少し難しかった一冊。ただ、ホームステイ先の家族が頻繁に言っていた言葉も載っており、「そういう意味だったのか!」と膝を打つことも。単純に読み物として(?)面白いです。
②Jantsangiyn Bat-Ireedui, Alan J K Sanders "Colloquial Mongolian: The Complete Course for Beginners"(2015)
見ての通り、英語で書かれたモンゴル語の文法書です。
全体的にモノクロで文字が多く、少し読みづらくはありますが、たくさんのスキットや単語、詳細な説明が載っており読む価値はあると思います。
英語での解説を読むと、日本語で勉強した時はよくわからなかったところがわかったりするなんてことも、意外とありますね。
音声もついており、上記のリンク先から無料で聴くことができます。
少し長くなってしまったので、今日はこの辺で。
次回は、語学以外のモンゴル関係の本について、持っているものをあげてみようかと思います。
では!